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知っておきたい道路交通法・あおり運転&危険運転致傷罪

常盤堂で2019年に発生した後続車を高速道路上に停止させ運転手を暴行した事件以外にも、近年あおり運転が頻発しています。世論の厳罰化を求める声が追い風となり、2020年6月2日にあおり運転に対する定義と厳罰化を決定した改正道路交通法が可決・成立しました。ここでは知らなかったでは済まされない「危険運転致死罪」について紹介します。

改正道路交通法ではあおり運転はどれくらい厳罰化されたか

今まではあおり運転を取り締まる規則はなく、暴行罪や安全運転義務違反、危険運転致死罪が適用されていました。しかし、6月2日に可決・成立した改正道路交通法では、あおり運転を明確に「妨害運転罪」として明確に規定しました。他の車の通行を妨げると3年以下の懲役または50万円以下の罰金の対象となります。また、一般道や高速道路で停車させたり、衝突事故を起こすなど著しい危険を生じさせた場合は、酒酔い運転と同じ5年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。さらに事故を起こしていなくても、あおり運転をすると1回で免許取消しとなります。違反点数は25点で欠格期間は2年、著しい危険があった場合は、35点で3年となります。

対象を車から自転車に拡大

6月20日の改正では、他の車両を妨害する目的でしつようにベルを鳴らす自転車のあおり運転も「危険行為」と規定しました。罰則は3年以内に2回違反した14歳以上に安全講習を義務化するというもの。受講に応じない場合5万円以下の罰金を科されます。他に自転車に関する強化された罰則は以下の通りです。

  • 信号無視
  • 遮断踏切立入り
  • 指定場所一時不停止
  • 歩道通行時の通行方法違反
  • 制御装置(ブレーキ)不良自転車運転
  • 酒酔い運転
  • 通行禁止違反
  • 歩行者用道路における車両の義務違反(徐行違反)
  • 通行区分違反
  • 路側帯通行時の歩行者の通行妨害
  • 交差点安全進行義務違反等
  • 交差点優先者妨害等
  • 環状交差点安全進行義務違反等
  • 安全運転義務違反

自転車が自動車歩行者に対し行うあおり運転だけでなく、自転車が自動車に対して行うものも含まれます。

停車行為にも危険運転が適用されるように

改正される前の高道路交通法では、大幅な速度超過や特に危険な飲酒運転など、車両が動いている状態での危険運転が適用されていました。しかし、改正後は、走行する車の前で停止したり、著しく接近する運転や高速道路、自動車専用道路で停車するなどの方法で走行中の車を停止または、徐行させる行為も罰則となります。これによりけがや死亡させた場合1年以上20年以下の懲役となります。